9/12 カザフ族のゲルにホームステイ(5、カイラット・カンと遊牧生活)

 

 

 

 

 

ホームステイのこれまでの記事↓

 

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イヌワシで狩りをする文化を持つカザフ族。

 

定住化の進んだ今日も伝統は受け継がれており、鷹匠の祭典『イーグルフェスティバル』は毎年盛大にとり行われます。

私がバヤン=ウルギーに滞在した期間はイーグルフェスティバルの直前にあたり、祭りの前の浮き立つような雰囲気や人々のらんらんとした目つきが印象的でした。

 

ここホームステイでもカイラット・カンのイヌワシを世話する様子を見ていました。

鷹匠文化は彼らのアイデンティティであり誇りである事をひしひしと感じ、彼らのマイノリティに対するその姿勢になんだか私も不思議と勇気づけられるようでした。

 

 

 

 

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カイラット・カンのゲルにもイヌワシが繋がれていたものです。

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毎日草原に消えてゆくカイラット・カン 。

イヌワシを従え、馬に乗って駆けたかと思うと

 

 

 

 

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りょうこも乗りな、と笑顔を向ける。

近郊の街へはバイクを使う。またがるアッサウタイは大はしゃぎの様子!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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薪ストーブの燃料は乾燥させた牛糞ですよ。

 

 

 

 

 

 

 

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ところで、前回載せたチーズの乾燥台に毛皮もぶら下がっていましたね。

 

 

 

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キツネのこの美しい毛皮の…

 

 

 

手入れはカイラット・カンの仕事。

 

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裏地の手触りをなめらかにするため、裏返した面にヨーグルトを塗っています。

いつものティータイムに使うスプーンで少しずつ、丁寧に、丁寧に…。

 

 

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ヨーグルトを塗るカイラット・カンのまなざしに見惚れてしまいました。

 

 

 

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ヨーグルトを塗った毛皮は、まず家の壁にかけて乾かすのです。

 

 

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ヨーグルトを塗った面はすべすべの手触りになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『絵描き旅』という名ながら旅中あんまり絵を描かない私ですが…。

カイラットを眺めている時、急に降ってきた線画のイメージが彼の姿に重なり、慌ててスケッチブックを取り出し、珍しく手を動かしました。

 

 

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彼の佇まいは何をしても絵になりますね…。 

 

 

 

 

 

 

 

 

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アッサウタイとカイラット・カン達のやり取りは実の家族のように自然でした。

 

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ゲルに取り付けられたソーラーパネル(!)からのわずかな灯かりで、静かにチャイと昼食の残りを食べます。

 

 

 

食事のあと

カイラット・カンは毎日決まった時間に、古い古いラジオの電源を入れます。

ラジオ放送は全てモンゴル語ですが、毎晩9時から10時の一時間だけがカザフ語の番組なのだそうです。

たったひとつの裸電球が照らす薄暗い室内にぼそぼそと響く、雑音交じりの放送に聴き入るカイラット・カン。

 

私は静かに、その姿を瞼に焼き付けていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また同じ夜、カイラット・カンはカザフ族のたった二弦の民族楽器、ドンブラで弾き語りしてくれました。

 

 

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ドンブラの音色は二弦とは思えないほど鮮やかで、また遠くの空気をも絡めとるような奥行きを感じました。

そしてカイラット・カンの張りのある声によって、ドンブラの音色はまるで生き物のように立ち上がりました。

 

遊牧民の上手いとも下手とも分からない演奏と歌は、たまに外れる音さえも妙にリアリスティックで、どんな洗練された曲よりも私の心を刺し動かすのでした。

無骨な強さの中に美しさもまたあるような …。

そして全身から空気を伝って音を浴びているような感覚になりました。

 

 

私の知っている“音楽”とはまるで別物でした。

 

 

暗がりの中、私は彼らに内緒でこっそり大泣きを続けたのでした。

 

 

 

 

 

 

眠り際、掛け布団に紛れていた虫が私の服の中に落っこちたのに気が付きました。

 

6本か8本足の、固い羽根を持つ小指の爪の先ほどの小さな虫が私の背中で這いまわっていました。

潰すことなく追い出すべく、虫の進行方向に息を殺して集中していると、

ふと、自分がこの草原と一体であることを妙に実感してしまい、背中の感触に親しみを覚えてなかなか追い出せませんでした。

 

 

いえ、

人と自然が一体である事はこの虫が最初でなく、遊牧家族の彼らの生活姿から、ずっと感じていたものだと気付かされたのでした。

 

 

 

 

youtu.be

私が撮った動画です。

私が涙したカイラット・カンの歌声は入っていませんが…よろしければどうぞ。


 

 

 

 

 

 

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