シルクロード絵描き旅

中央アジア・シルクロード。ひとりの絵描きの放浪記。

9/8 バヤン=ウルギーへ移動

 

 

バヤン=ウルギーはホブドの更に西、カザフスタンとの国境近くにある西部最大の都市。

住まう人々の90パーセント以上はカザフ族。現代のカザフスタンよりもここバヤンウルギーのカザフ族の方が伝統的な生活文化を維持しているというのです。

 

 

モンゴルのバヤンウルギーに限らずロシアや中国などの多くの民族や自治区・小国が混在している国の方が世界には多いんじゃないでしょうか。

国の定めた国境は彼らの味方をしてくれなかったり、生まれながらにバイリンガルとなったり。島国日本に生活しているとなかなか想像出来ませんが、そういった事もまた誰かにとっての『ふつう』であり『日常』なのです。

 

 

 

 

ホブドからバヤン=ウルギーへは乗り合いバンが毎日16:00頃、出ています。

人数が集まり次第出発する、つまり席は早い者順なので午前中のうちに発着所へ行きドライバーに交渉しておきます。

 

出発時刻に合わせてバンに乗り込んでからが長く、発着所で人を集めた後も町中で一人ずつ乗客を迎えに回ります。

はなっからすぐ出発するつもりで乗車するとそのモタモタっぷりにうんざりしてくるので、大らかな心を持ちましょう。

バヤン=ウルギーまで6時間かかるのに出発時刻がなぜ夕方なのか…という謎が旅人をせっかちにするんです。

 

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遠くに見えるのがホブドの町。

せっかく出発したと思ったらまたすぐ降ろされてしまいました。

 

 

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ドライバーはここでいま一度荷物の積みなおしをします。

バンの定員を平気で4~5人オーバーするうえに大量の荷物を詰め込むものですから、少しの隙間も貴重とばかりに、座席の下にも車上にもテトリスの如く、荷物を詰めます。

 

車上の荷物括りだって大切なドライブスキル。バヤン=ウルギーへの道のりはもちろん未舗装、途中には高山(ツァンバガラブ山)の麓のでこぼこ道を走ります。一つの荷物も落ちぬよう、ロープ括りは丁寧にチェックも入念に、時間をかけます。

 

 

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私は後部座席の一番右端に、口を結んで小さくなって座っていました。

じっさい4人用の列に5人も座るので肩をすぼめ小さくなりますが、そういう意味の小ささでなく、日本人が乗っているとは気付かれぬよう、気配をなるべく消していました。

乗客はきっと私を好意的に迎えてくれるでしょうが、分からない言葉に何時間もニコニコ、交流する気力がこの時の私にはありませんでした。

 

 

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道は標高をどんどん上げていき、日が傾き、バス内の気温はどんどん下がります。

 

 

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遂に雪山まで見えました。恐らくあれがツァンバガラブ山でしょう。

乗客たちのテンションが一層上がりました。

窓際にいるおじいちゃんにスマホを渡し、山の写真を撮ってもらうおばちゃん。

おじいちゃんは後ろの私にもホラ、撮らないとと撮影を促します。

より綺麗に写真を撮るため窓を開けるおじいちゃん、すると冷えた風が車内に入ってきます。

私は更に身体を丸めて窓が閉まるのを待ちます。

 

 

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写真を撮るおじいちゃんの笑顔はとても可愛らしく、素敵でした。

こんなに人相の良いおじいちゃんはそういない位、顔に出来た皺もまた綺麗でした。

 

 

 

 

 

バンは悪路にガタガタと跳ね、寒さも相まって乗客を疲れさせます。

ドライバーは時々停車して車体のまわりを一周し、積み荷が全部あるか括りはしっかりしているかチェックをしていました。

 

 

 

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ホラー写真でしょうか。

 

 

いいえ違います。

 

 

 

 

 

山道の途中で2人くらいが降りていったため(何もない寒空の中を、民族衣装を着た遊牧民に迎えられて降りて行かれました。彼らの生活は如何に…。)

ぎゅうぎゅう詰めだった席に余裕ができ、おいでよと全席に移動させてもらった私。

 

 

久々に伸ばせた脚に和らいだ腰痛。ふぅ、と安堵の溜息。

4列シートのバンの2列目は後ろ向きになっていて、2列目と3列目は対面です。乗客同士打ち解けて賑やかな対面席の真ん中に座った私は、あれよあれよと質問攻めに遭いました。

 

すっかり日が沈み、誰かがスマホを操作した時だけ辺りが見える、真っ暗な車内。

 

 

バヤン=ウルギー到着まで2時間を切ると、車内に漂う空気も疲れから浮き立ったものに変わります。

 

 

 

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撮影大会です。

 

…どうしても正面のおばちゃんが大きく写ってしまう…。

 

 

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おじいちゃんの笑顔が光りますね。

ピースしてくれた男の子はこの後カザフスタンのアスタナへと向かうそう。

 

 

バヤン=ウルギーからはカザフスタンへのバスが出ていて、首都アスタナへはたしか2日(!)かかるんだって。

西モンゴルからカザフスタンへ抜けるルート…とってもとっても魅力的、私もカザフに抜けてカザフを通って中国(帰国フライトの為)に戻りたい…。

と瞬時に妄想が働きましたがそのルートはロシアを経由するため不可能。ロシアビザの必要な外国人には勝手が悪いルートです…。

 

 

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バヤンウルギーに着いた頃には22時を回っていました。

 

 

 

 

事前に見当をつけていた『Traveler's Guest House』にチェックインしてすぐ、途中見えた適当なレストランで空腹を満たし、その夜はすぐ眠りに着きました。

 

 

 

 

 

 

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