シルクロード絵描き旅

中央アジア・シルクロード。ひとりの絵描きの放浪記。

9/4-5 中国新疆-西モンゴル国境越え その1

 

9/4

 

孫さんと別れた私は早速時間に追われて焦っていました。 

 

財布にはもう200元しかありません。今夜が中国最終日なのに…ギリギリ足りません。今月末に控えている帰国のフライトの為にまたウルムチには戻りますが、出国間際にお金を降ろすなどあまりしたくはありません。

 

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広く大きい中国の都市。道路を渡るだけで一苦労。

 

そう言ってもいられないので無い時間の中で銀行に走りましたが、なぜかそのATMではお金が降ろせない。考える間もなかったので諦めてバスステーションに走ります。お金は青河(チンフー)に着いてから降ろそう…。この間はバタバタでした。

 

 

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私が向かうのは青河(チンフー)です。

国境の町タカシケンへの直通バスはウルムチからは出ていません。そこでまずは青河へ行き、青河から乗り合いバンでタカシケンに移動するのです。

 

タカシケンからは更に国境手前まで行く乗り合いバンに乗り換えます。

と言っても今夜は青河に一泊して、国境越えが出来るのは明日になるでしょう。

 

 

 

 

 

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この青河へ向かう道は先月末行ったアルタイと全く同じでした。

途中で停まるレストランや警察のチェックポイントまで同じ。また、バスの窓からは強い太陽が頭を差してきます。私はまたここでも思考を停止させてぐったりとするほかありませんでした。

 

お昼は食欲がなかったのでビスケットを買って食べていました。

 

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アルタイ方面と道が分かれた後、やっと日は落ち始めました。

三角形の尖った山肌が夕焼けによって鮮やかな赤に染まります。夕焼けと影が強いコントラストを作り、空には白いまるい月も出ました。絵に描いたような景色とはこの事だと思いました。

初めて見る美しさだけれど絵か何かで見た事があるような…不思議と既視感も覚えながら、しかしこれは他のどこにも見られない景色だろう…と、辺境の風景を有難がるのでした。

 

 

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青河は北端の小さな小さな田舎町でした。

 

乗り合わせた乗客もなんだか素朴な人ばかりです。

通路を挟んだ隣の女性に声をかけられたものの、彼女は私が日本人と知るとなんだといった表情で以後こっちを向いてはくれませんでした。

 

 

そんな閉鎖的な田舎行きバスに一人だけ英語を話せる青年が乗っていました。

彼は四川から出張で来たのだそうです。

 

 

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日もほとんど落ちた青河のバスステーションで彼は警備員に外国人の泊まれるホテルを聞き出し、そのホテルまで私をタクシーで送ってくれ、途中ATMにも寄り、明日のタカシケン行の乗り合いバンの予約を電話で取り付け、さらにバンには明朝このホテルに私を迎えに来るよう伝え、フロントスタッフには私の部屋までバンの到着を知らせに来るよう手配してくれました。

 

ひととおり連絡が済むと彼は自身の泊まるホテルへと帰って行きました。

万が一のためにと交換したWeChatでは、私のお礼のメッセージに対し明日の国境越えが上手くいきますようにと返信をくれました。

 

彼の仕事は明日から始まるそうです。彼だって長い移動で疲れているだろうに、見知らぬ外国人に夜遅くまで構う余裕などあったのでしょうか。

 

親切過ぎます。

 

 

乗り合いバンを見つけるために明日の早朝からバスステーションで張り込まなければいけない手間も、彼のお陰で省けました。

偶然彼に出会った幸運と手厚い親切に感動しながら、

夜10時頃、今朝ぶりの遅い夕食へと再び外出したのでした。

 

 

 

 

 

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外国人が泊まれる青河の宿は『旅游宾馆』のみです。

ここは一泊160元と普段泊まるホステルの3~4泊分にあたります。

いつものケチな私なら勿体ないという値段ですが、この時ばかりは160元払うことに全然抵抗がありませんでした。

 

 

色々な事があり過ぎて忘れがちですが、9/2に南端カシュガルから2夜列車に揺られ、昼夜もなくノンストップで北端の青河まで来たところなのです。

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オレンジ色の線が今までの道筋。中国の他都市間と比べるとその距離に驚きます。

 

久しぶりのシャワーと洗濯、個室とふかふかの広い布団…、余りに嬉しく、あろう事か快適さに逆に慣れず明け方まで寝付けませんでした。

 

 

 

 

続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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