シルクロード絵描き旅

中央アジア・シルクロード。ひとりの絵描きの放浪記。

9/1 カシュガルを歩く その3 羊の解体

 

 

前記事の続き

9/1

 

 

 

 

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先程のオールドタウンとは道路を挟んで、もう一つの“オールドタウン”があります。

古い住宅地です。

 

 

こちらは現地の方の家々しかないので、観光客向けに作り直されたところはないですが、

さっきのオールドタウンの向かいにあるので、旅行者が毎日歩いています。

 

路地には3歳くらいの子が一人で立っていたりもするので、この先観光客がもっと押し寄せたら…とか、もしもここに観光地化の手が少しでも入ったら…、ここも警察が巡回せねばならなくなったら…など、起きて欲しくない事を次々に連想してしまいました。

もし自分に小さな子供がいたら、外を自由に歩かせのびのび遊ばせ育てたい、それをこの場所に重ね合わせて考えたからです。

 

 

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なーんて言いましたが自分も一旅行者で、現地の人の居住区を訪ねるのが大好きなタイプなのです。

そして人んちの玄関先で現地人と憩ったり、開いているドアに入って行ったり…と一人では躊躇われる事も今こうして彼ら(中国人の旅人)と一緒なら可能で、この状況を“ラッキー”と思っているんです。

 

旅が進むにつれて自由さに慣れてくるので自分に都合のいい思考回路になるんですね。

『現地語が出来て少しの勇気と頭脳があれば、自分のやり方で一人でウイグル族と仲良くなってもっと彼らを知れるのになあ…。』

これってかなり高度な次元の技ですよね。現実を見てください。まずはウイグル語とアラビア文字を覚えましょう。

 

 

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ユースホステルに住み込みで働きながらカシュガルに滞在中の旅人の女の子。

 

 

 

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共に行動するが元は皆一人旅。出身はバラバラ。

 

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***

 

 

 

さて、犠牲祭の今日は玄関先で羊を絞めて解体する作業があちこちで見られました。

 

羊の解体はこれまで何度も見てきていてその工程もすっかり覚えましたが、初めてそれを見た時はやはり衝撃的でした。目の前で羊が抵抗しそれから痙攣し、どんどん静かになっていく光景を、私の頭は即座に処理できなかった。自分が何を感じているか分からず、解体された肉の脇で食べたカバブの味だけが妙にリアルに鼻から抜けていった…。

 

 

 

羊を捌いていく彼らの生き生きとした表情、全身を使う重労働のため流れる汗、子供もそれを当たり前に見ている。

 

 

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皮を剥がしやすくするために体内に空気を入れて膨らませる。重労働が続きます。

 

 

 

 

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一度家に戻ってお面を被って出てきた男の子。本音はそのお面の下が撮りたいんです。

 

 

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羊の解体に飽きたらしい。

 

 

これまでに出会ってきた旅人、主にヨーロピアンの何人かはビーガンでした。

私の肌感覚で言うとドイツ人にビーガンが多かったです。ビーガンである理由は様々ですが、“動物愛護のため”“健康のため”が多いのではないでしょうか。

彼らと肉食の議題で討論したことはありませんが、彼らと一緒に宿で自炊したりそれを見たことはあります。

動物愛護と健康を理由に動物性食品を取らないという彼らの感覚を共感する事は難しいですが、苦労の多いビーガンの旅人を尊敬しています。

英語の通じない野菜の育たないモンゴルがいい例ですが、現地のレストランでビーガン料理をオーダーする事は、地域によってはとても難しい。また寒さの厳しい時には肉がどれだけ身体を温める事か。それでも彼らは自分に限界を設けずにどこへでも旅するのです。軟弱な私は彼らに頭が上がりません。

 

 

 

 

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甘粛省 蘭州市の市場

 

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新疆ウイグル自治区 ウルムチの市場

 

 

 

中国では、ここウイグルだけでなくどこでも露店で大きな塊肉が売られています。

大きな肉と、それを斧やナイフで大胆に切っていく様を見るのはとても好きです。

ブログでは中国の悪口ばかり書いていますが好きなところも沢山あって、その一つが“食べ物の売られ方”です。肉に関して言えば、それがかつて生きていた事がちゃんと分かる大胆な姿形をしているんです。“彼らも私も生きているんだ”という実感が湧くんですね。そしてそのうえで『美味しそうだなぁ』と思える事の豊かさに気付くのです。

 

 

こういう所で感じるのは“命を頂くことへの感謝”みたいな大それた事ではないのです。

 

新鮮な羊肉は美味しいんです!それでいいのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

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