シルクロード絵描き旅

中央アジア・シルクロード。ひとりの絵描きの放浪記。

8/31 三度目のカシュガル、夜市と私の涙。

 

 

8/31 カシュガル(喀什)に到着した直後 

 

 

 

今回泊まるのは喀什麦田青年旅舎。

 

ウルムチにもある同名の麦田青年旅舎とは関係ないそうです。
カシュガル麦田はオールドタウンから徒歩30分くらいのところにあります。今回は犠牲祭のためオールドタウン内の人気宿である喀什帕米爾青年旅舍(カシュガルパミールユースホステル)と喀什老城青年旅舍(オールドタウンユールホステル)は満室でした。

 

 

オールドタウンからはタクシーを拾って麦田旅舎を目指すのですが、ウイグル族の運転手は私の地図の中国語が読めず、通行人に道を訊く有り様。

 

 

ちなみにカシュガル中心街のタクシー運賃は4年前からずっと一律5元です。
その事を孫さんに言うとえ~っ安い、本当ですか~?と驚いていました。
しかしここでは旅行者に10元、15元とかふっかけてくる人も多かったです。『有人(ヨウレン)』表示ばかりで無人のタクシーがなかなか捉まらないのも大変でした。これもタクシー代が安いからでしょう。
さらにはカシュガルの公共バスが停車・バス停名のアナウンスが一切なく、どこがどのバス停か非常に分かりにくいのも、人がタクシーに流れる原因になっているように思えました。


カシュガルでタクシー事業をしたら、需要がありそうだなぁ。』と孫さん。

 


ともあれ無事ホステルにチェックイン出来、それからすぐにまたオールドタウンへと繰り出します。
オールドタウンの夜市は中心部エイティガールモスクの礼拝広場の真向かいにあって、いつも地元客で大賑わいで、カシュガルといえば夜市を思い出すくらい大好きでした。

 

 

 

 

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2015年の写真

 

unhuman.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

しかし-。

 


今回も夜市のある広場にやってきて私の表情は固まりました。

 

広場の周りの建物のネオンが付いていない!

 

夜市のあった広場一帯が駐車場になっている。

 

さらにその真ん中に、警察の真四角の駐在所が建っている…。

 

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呆然としてしまう私。
…しかしよく見ると、広場からオールドタウン内部に続く細道に屋台が見えます。夜市は無くなったわけではなく移転しているようでした。
それでももはや当然のように、夜市へ入るところにゲートがあって全員警察のセキュリティチェックを受けるようになっていました。

 


初めて夜市に来る孫さんの手前ですが、私はショックを隠せませんでした。


地元ウイグル族の人々があんなに活き活きと働き、食べ、笑っていた夜市が…。
2年前までただ無邪気に楽しみ撮影していたあの写真はもう撮れないのです。
カシュガルの象徴ともいえるエイティガールモスクを見渡せるこの広場の真ん中に、物々しく不似合いな『警察』の二文字を掲げた白い四角い箱を建てるのですか。そうですか。そういうものなのですか。

 

 

 

『人々が多く集まる場所には治安を守るため取り締まらなければいけませんからね。』
孫さんは言いましたが、
『そうですよね。』私はそう返しただけでした。

 

 

 

 

 

 

 

とはいえ気を取り直してゲートをくぐり、夜市を楽しみましょう!


オールドタウンは二年前には、古い建物を壊し続々と新築ラッシュが続いていましたが、今回にはすっかり終わったようで、古い味のある建物は表通りには見られませんでした。
4年前初めて来て美しいと思った、大好きなカシュガルの景色はどんどん変わっていっています。

 

 

 

 

 

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屋台で囲われた道沿いには果物やナッツ、ジュース屋が並び、奥のところの広場に以前の場所にあった食事屋台が移動しているようでした。
道沿いで飲んだ手作りザクロジュースで、落ち込んだ気持ちは少しだけ上気しました。ウースービールを買って、一本たった3元のカバブを食べたり屋台の男達の腕裁きを見たり。
場所が変わっても、働き、食べ、笑う人々の顔つきは変わりません。ここの熱気と煙臭さはやはりとても美しく感じられるのでした。

 

 

 

 

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ただ、中国人観光客がすごく増えたな、と感じました。
二年前まではほんの少しのバックパッカーだけだったのですが、身なりのそれぞれの老若男女、『発音のいい』中国語がよく聞こえてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

孫さんはこの夜市の熱気・賑わいにとても浮き浮きしています。カシュガルの良さを語った時に『夜市』にひときわ反応していた孫さん。じっさいこの熱気でわくわくしない人はいないでしょう。さあさあ孫さん、まだ食べますよ~~!
『私リャンフンが食べたいです!!』

 

 

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涼粉(リャンフン)は内陸の涼皮(リャンピー)の中央アジア版といいましょうか、
モチモチの緑豆麺にもやしや細切り豆腐の皮、ひよこ豆などをトッピングして、酸っぱ辛いタレをかけたもの。涼皮のタレは辣油が多くて、酸っぱいさらっとしたタレの涼粉の味は独特なんですよね。トッピングや麺のタイプを選んで注文するのも楽しいのです。

 

 

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この味です。美味しいです!
ただ…、か、辛い!


こんなに辛かったっけ?ここの涼粉だけですかね、孫さんも『中国人も僕さえも辛いと思うので、涼子さんは大丈夫ですか…?』と驚き気味。
とは言え、美味しいんです!

 

 

食べ進めていると私の目からなんと涙がぽろぽろ、こぼれてくるではありませんか。
どうやら涼粉の香辛料に目が刺激されたみたいです。

『辛いもので本当に泣く人は初めて見ましたよ~!』と笑う孫さん。
隣に座った若いウイグルの女の子も笑っています。
これよりも辛い料理なんていくらでも食べてきたのに、私だって初めてですよこんな事。
私も面白くて笑います、そして食べ、泣きました。

 

 


屋台の店主の男性に笑われて、私もまた笑いながら、
妙に止まらないこの涙を、警察への悔しい気持ちと無理矢理こじつけようとしたものですが、
恥ずかしながら、ここでの私はただ辛いもので泣く人なだけなのでありました。

 

 

 

 

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