シルクロード絵描き旅

中央アジア・シルクロード。ひとりの絵描きの放浪記。

8/25 カナス湖へ。一難去ってまた一難 その3

 

 

 

 

 

前記事の続きです。

 

 

 

 

 

もう考える力が湧きませんでした。

こんな時ほど冷静でないといけませんが、

気力もどこかに行ってしまっています。

せめて彼が電話している間だけでもと、私は考える事を一切放棄してぼうっとしていました。

 

 

 

 

『おい、宿見つけたぞ!』

 

おいくらでしょうか。

 

『イーバイアー!(120元)』

 

2000円弱。だいぶ安い宿を見つけていただきました。

これに泊まろう!

 

 

 

宿主が車で迎えに来てくれました。

私は彼に心から感謝し、そして情けない気持ちでいっぱいでした。

何から何までありがとうございます。時間は夜の10時をまわっていました。

 

よかったよかったぁ~~~再見再見!!

バイバイッ、バイバイバイバイバイ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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お母さんに作っていただいた今日の晩御飯、ジャガイモと羊肉の炒め煮(写真右)

 

 

 

到着したのは、カザフ族の経営するホームステイのような宿でした。

 

家族の住居スペースに通された私は、改めて屋内を見渡しました。

オレンジ色の豆電球に浮かび上がる温かい室内。

薪ストーブ。壁にかかったカザフのカーペット。

ミルクティーを注ぐお母さん、赤ちゃんを抱くおばあちゃん。

赤ちゃんは私が来るなり目をまるくし、両手をばたつかせて興奮しています。

 

 

 

 

 

この時の私の安堵感といったら!

私はふ~っと溜息をつきました。

これです、こういう所に来たかったのです。

 

 

 

お母さんに食事を作ってもらっている間、おばあちゃんのあやし声を聴きつつ、ミルクティーと揚げ菓子をつまみつつ、宿主の話すのを聞いていました。

宿主の彼はチェクス。彼は経営者で、ここの家の方とは家族ではないそうです。

 

 

 

 

赤ちゃんの名はビルゲというそうです。9か月になる彼女はつかまり立ちが出来ました。

おばあちゃんが少しでも彼女から手を離すと、ビルゲは食事中の私の元にはいはいして来、私のどことも目がけず全力で手を伸ばしてきます。

おばあちゃんがこらビルゲ、ほらビルゲ、と電池式おもちゃのスイッチを入れ、歌が鳴るとおもちゃはピカピカ光り、くるくる動き出します。

ビルゲは一瞬はおもちゃに反応しますが、やはり私の方に向き直るのでした。

 

 

私の食事を作り終えたお母さんがビルゲをあやしている間、おばあちゃんはもう一つの客人用大テーブルに緑色の礼拝用マットを引き、ムスリムの礼拝を始めました。

 

チェクスは簡単なカザフ語を私のノートに書いてくれました。

 

 

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彼らの住居からドミトリールーム(相部屋の寝室)のログハウスに戻る時、

つんと冷えた空を見上げると、そこには星が、控え目ながら輝いていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

*写真コーナー*

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7人ドミトリーの寝室。(当時は私の他に北京から来た絵描きさんのみ。)

 

 

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翌日撮った家族の住居スペースのストーブ。

 

 

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ミルクティー。やかんからまずチャイを少し注ぎ(茶こしで茶葉を受ける)、その後牛乳をたっぷり注ぐ。牛乳の独特の風味とほんのり塩気がある。

大きな茶碗でたっぷり出され、飲み切る前にまた注いでくれる。

 

 

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 ビルゲの電池式おもちゃ。

 

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