シルクロード絵描き旅

中央アジア・シルクロード。ひとりの絵描きの放浪記。

蘭州/天水/西寧で泊まった宿。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
①蘭州 蘭州花開時間青年旅舎

 

 

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蘭州市北側の、回族の住まうエリアに新興住宅街が広がっています。私の泊まったのは最も高く綺麗なマンションの一階全室を使ったホステルでした。とても立派な門ですが、中に入ってみるとごく普通のマンションでなんだかホッとしたものです。
団地の周辺はまだまだ開発途中で、古いマンションや土壁の家なども見られました。高架道路は作り途中なのか何なのか、途中で途切れておりその用途を成しておらず、駐車場となっています。

綺麗なマンションをポンポン建てる割には周りの工事が追い付いていない。中国の景色あるあるです。

ホステルは若いメンバーが運営しておられました。彼らは英語が話せずぶっきらぼうですが、老板(ラオバンと読む、宿主の事)の女の子は心優しいです。しかし、彼女に教えてもらったバス停の位置や乗る路線とかがちょいちょい間違っていて、私は出先で大幅な遠回りをすることになってしまいました。夕方ごろ帰ってくるとフロントと私の部屋のドアのかぎが閉まっていて入れません。分厚いドアを叩いても、中に人がいるか分かりません、一刻も早く休みたいのに、私はドアの前でしゃがむしかありませんでした。これにはイライラしましたが、彼らに悪気は全くなく、私の気を察した様子もありません。
 歩いて10分ほどのところに回族の古いモスクがあり、その周りには市場がありました。後で知った事ですが、モスクの周りの市場は金・土曜のみ開かれているものかもしれません。
 チェックアウトする朝の7時は今までで一層寒く、私はカーディガンを羽織りました。昨夜から降り出した雨がまだ続いていて、老板の女の子が傘を差して、タクシーを呼び止めるまで付き添ってくれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


②天水市麦積区 寒谷里旅舎

 

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灰色の雲に覆われた、寂れた麦積区の街並み。

駅前にある大きなビルは中でもいっそう古く汚れていました。タクシーの運転手から、あなたの宿はあのビルだよと指差された時には空模様と同じように私の表情も曇ったものです。下部がショッピングモールになっており、マンションの入り口が全然分かりません。何人かに訪ね、言われた方向に行くも分からず右往左往。やっと一人の女性が、マンション入り口まで連れて行ってくださいました。

中は薄暗く廃墟のようです。ホステルのあるフロアに降りたら、埃をかぶった自転車やマットレスが捨てられています。ああ、宿選び失敗したな、と首を落としながら看板もなにもないドアの呼び鈴を押しました。


すぐに開けてくれたのはここの宿泊ゲストでした。奥から郎明な女性が。老板でした。
内装に私は目を疑いました。古いですがきちんと整理された調度品、飾りつけ。カラフルで元気な室内。汚い外側からどうしてこの可愛らしい内装を想像できましょう。隠れ家のようなホステルでした。


老板の女性は英語は出来ませんが気遣いの細やかな人でした。すぐに麦積山石窟に行く私に傘を持っていきな、と傘かけに並んでいる傘たちを指差し『どれにする?』と訊いてくれます。私の目線の先を見ていたのでしょう、私が手を伸ばすより先に彼女は傘を手に取り私に差し出してくれました。


外に出ると、それまでの曇り空は雨に変わっていました。雨は私が天水を去るまで上がりませんでした。次に向かったおよそ500㎞離れた青海省・西寧市でも天気はまだぐずついておりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③西寧市 七彩空間青年旅舎

 

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宿の窓から西寧駅が見える。

 

 


ここも団地の一室のホステルでした。団地ホステルにすっかり慣れた私は、30階建ての高層マンションに顔色一つ変えず、これも定番となった薄暗い廊下のエレベーターに乗り込み、12階のボタンを押しました。
この時夜8時を回っていましたが、ホステルの玄関ドアは開け放たれていました。ニイハオと言って入ると、ドアの右側がリビングスペースとなっており、どこかひょうきんな男性が『待ってたよ、今日のゲストは君だけだ。』と言いました。泊まっていた二泊三日中、他のゲストは全く来ず、そのかわり彼の年下の友達なのか居候なのか若い男の子が出入りしていました。彼らはスタッフではないそうです。
遅い夕食を食べに出ようとすると、老板は青海名物のフレッシュヨーグルトを差し出しました。


老板は初対面の私に対して気遣う空気が全く出ておらず、その空気に順じて私もくつろぐことができました。
夕食を終えて戻り、リビングで哈爾浜ビールを飲んでいると、青海の白酒を勧められます。お猪口に一杯ならと頂きましたが42度の白酒は案外飲みやすく、飲もうと思えばするするっと飲めてしまう、危険なお酒です。哈爾浜ビールはチェイサーになってしまいました。
若い男の子もビールしか飲んだことがないそうで、喉の灼ける白酒にたじたじになっていました。老板が空いたお猪口になおも注ごうとすると照れ笑いをする男の子、私と老板はそれを見て笑いました。

 

 

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老板は私にほとんど干渉せず、私はゆったりと過ごしました。
老板は暇そうな目でテレビかパソコンで映画を見てばかりでした。たまに話しかけられたかと思えば、『アイスあげるよ。』
こんな調子ですが一応と思い、チェックアウトの前夜に『チェックアウト時間は何時?』と訊ねると、目線をテレビから離さず

『いつでも。』と。

 

 

 

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息がぴったりの老板と居候?の子 

 

 

 

 

 

甘粛・青海省にいる間ずっと止むことのなかった雨は、

私が西寧を去る日の午後、やっと上がりました。

 

私は夕方の列車で西寧を発ち、新疆ウイグル自治区に入りました。

以後、乾燥しているここでは雨はまだ降っていません。

 

 

 

 

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